Garden of Eden

 

 

あなたがしている黄色いマフラーは、
わたしが300年後の冬に編んだものです。
あなたは、こんなにはやくから首にまいて
寒さをしのいでいるのですね。
どうりで、あの日買ったばかりの毛糸玉は驚くほどぼろぼろでした。

あなたが気にしているわたしの性癖は、
あなたが3年後にそっとわたしにおしえてくれるものです。
なので、もとをたどればそれはあなた自身の性癖です。
気に病んだってしかたありません。

あなたが夢見ているわたしの理想は、
わたしが100年かけて築き、あなたが1000年かけて破壊しました。
わたしはそれを10000年かけて再構築し、
あなたは一瞬で愛にしました。
世にもうつくしい光景でしたね。

あなたがあまりにも愚かなので、
わたしのあいた口はふさがらず、わたしの口はすっかり楽園になりました。
なんて荒れた園だろう、といいながら
蝶や花や月や虹、星や天使や馬やサファイアが、飛び込んできて住みついてしまうのです。

 

あなたがのんでいるドクダミ草のコーヒーは、
6000年前のあの日、
わたしがいれました。
あなたが猫舌なのはわかっています。
なので、けっして冷めないコーヒーをいれました。
今も熱いでしょう。
そして苦い。
大丈夫。
ミルクはわたしが持っています。